国宝
2025.08.18

お盆休み最終日8/19に話題の「国宝」を観に行きました。
歌舞伎 女形を演じるのは、吉沢亮と横浜流星。
物語は、2人の「陽」と「陰」が交互に繰り出され、3時間もあっという間。
2人の栄光(陽)と挫折(陰)、そして復活が、ものの見事に繰り出されました。
歌舞伎を演じるシーンは、映画館より舞台にいるようで、より引き込まれていきます。
血筋と才能、ライバル同士の切磋琢磨、
高度成長を背景に、女形の頂点に立とうとする対照的な2人。
中でも、考えさせられたのが、挫折(陰)から「復活」する力。
良いときばかりではない、落ちた時にいかにまた立ち上がれるか。
時を重ねた令和の時代にも、伝わるメッセージです。
心理学で「レジリエンス」という言葉があります。
最近では防災用語でも用いられますが、ストレスの対義語で、回復力を意味します。
外部からの圧力を跳ね返る力もなく、中に抱え込むことが「ストレス」となり、
同じ外部からの圧力でも、柳の様にしなやかに跳ね返すことが「レジリエンス」となります。
このレジリエンス力は、先天的な能力でなく、訓練や努力次第で鍛えられる後天的な能力。
挫折(陰)からの復活劇は、場所を変えても舞を辞めなかった2人の努力の結晶。
日本文化を同時に学ぶ機会となった「国宝」。
今年のアカデミー賞を総なめにしそうな予感です。