共働き

2017.01.28
共働き

「田中さん、どう思う?」とお客様(奥様)からのご相談。
働く主婦の多くの方が気になる、いわゆる配偶者控除(所得税)の壁と、
社会保険の壁。
 一つは、給与所得控除(65万)と基礎控除(38万)合わせて「103万の壁」
そしてもう一つは、社会保険加入の基準となる「130万の壁」。
 
1億総活躍の旗印のもと、改正に向かっているのが配偶者控除(所得控除)。
103→150万。
理屈上では、所得控除の幅が増える為、働く時間を延ばす主婦が増えるという。
 
ただ、昨年10月新たな「106万の壁」も出来ていますので、
とても分かりにくいものになっています。こちらは、いわば社会保険の壁。
今のところ501人以上の企業に限られますが、106万を超える場合、
パートでも加入が義務付けられます。
 
一層の事、この二つの壁を同じ150万にしてもらえないかと、
誰もが感じているのではないのでしょうか。
 
一方で、私が常々言っているのが、
お金だけの損得だけ検討しない方が良いのでは、というアドバイス。
(ネット検索ではこれらの損得話で埋もれていますが。)
 
企業側としては、少しでも人手が欲しいであろう11月~12月。
働く側も頼りにされること自体嬉しく感じても、
制度を優先して働く事を諦めます。
 
人生で充実感を味わうのは、何もお金だけではなく、
むしろ自分が頼りにされていると感じた時。
それはお客様だけに限らず、一緒に働く仲間からの信頼も同様。
 
共働き世代が専業主婦世代の割合を超えたのはずいぶん昔。
時代が変わっていることの認識しながら、心の充実にも目を向けたいもの。
 
知らずして損をするのは勿体ない話ですが、
制度に振り回されすぎるのも寂しい限り。
 
子育てが一段落し、本人に時間とやる気があるのなら、
働く事で充実感を味わってほしいと切に願います。
 
本当は思い切って働きたいという思いが伝わってくるお客様との会話。
「ありがとう、主人と一度きちんと話してみるわ」と。
 
今だけの損得に振り回されることなく、
これからの働き方をご夫婦で「いい機会だね」と捉えると
今後の人生設計にもプラスになるのではないでしょうか。
 
また、奥様の働き方以上に大切なのが、実は夫の職場。
私たち中小企業にとっても避けては通れない課題です。
「働き方改革」元年となりそうな2017年。
 
本日の日経新聞1面でも取り上げられた36協定上限60時間制限
まずは当たり前を疑うことから始めないと、
私たち中小企業であろうとも時代に取り残されていくのかもしれません。
 
(了)
 

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